【小説】陰獣/江戸川乱歩 (江戸川乱歩文庫)

内容紹介

探偵小説作家の「私」は、愛読者である美貌の人妻・小山田静子から奇妙な相談を受ける。文壇を騒がす謎の探偵小説作家・大江春泥の正体が静子の元恋人・平田一郎であり、かつて静子に恋破れた彼が復讐のため小山田家の周囲を徘徊しているというのだ・・・その真相をさぐる主人公の前に展開していった驚嘆すべき真相とは?
陰獣』、『盗難』、『踊る一寸法師』『覆面の舞踏者』、初期の名作4編を収録。

著者略歴

江戸川乱歩(1894-1965)
明治27年10月21日三重県生、名古屋で育つ。早稲田大学で学び、様々な職業を経験した後、大正12年に「二銭銅貨」でデビュー。「D坂の殺人事件」「人間椅子」「パノラマ島奇談」などを執筆する。休筆を挟んで「陰獣」「芋虫」「孤島の鬼」「押絵と旅する男」などを発表。昭和4年より娯楽雑誌に長編を連載、「魔術師」「黄金仮面」「黒蜥蜴」など。昭和11年から「怪人二十面相」を少年倶楽部に連載。同時期から評論も多く手がけ、昭和22年、探偵クラブ結成、初代会長に就任。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任。昭和40年死去。

陰獣』-読み進めると、人間関係がドンドン変わる(SとMの関係が特に)。以前存在していたAmazon.co.jpのレビューのカスタマーさんの言葉を借りると、本当に《「論理的には全て謎が解けるが、それは推理の上の話であって実態は結局断定できない」という不安が最後に描かれているのが興味深く思います。》。SM関係は勿論、不倫やストーカーなども妖美に描かれている。

盗難』-ユーモア短編小説の佳作。エログロのイメージが強い江戸川乱歩だが、こういうお笑い路線ももっと評価されても良いのではないだろうか?

踊る一寸法師』-読み終えると吐き気や悪寒がしそう。

覆面の舞踏者』-耽美的な世界が印象的。

 多賀新氏の装画による不気味でレトロなカバーは、江戸川乱歩の世界を一番表現していると思えるので、一見の価値有り。

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